宿便とは

 

宿便という言葉はすっかりお馴染みのものとなっていますが、これは便秘により腸内に長く滞留している便のことで、滞留便とも呼ばれますが、特に数週間程度以上の長期にわたって腸壁にこびり付いている便のことを指す場合が多く、断食や腸内洗浄によってはじめて排泄されるといわれています。

 

健康・ダイエット関係でよく用いられる「宿便」は、一般的な定義とは異なり、この手の言説では、こうして腸壁が清掃されるため断食に健康増進の効果があるとされるほか、断食しなくても宿便排泄に効果があるとされる健康食品の宣伝が行われることが多い。

 

宿便の原因としては、先天的に便秘傾向の体質の場合もありますが、最近増加しているのは無理なダイエットによる生活習慣によるもので、便秘薬、浣腸、センナ茶などの下剤の常用障害や、加齢による排便反射機能の低下もあります。

 

他にも日常生活でのストレスによる神経症や、血流の低下、他の疾患の薬剤の副作用も考えられます。

 

便秘は病気というわけではありませんが、医師による殆どの便秘治療では、大腸検査による大腸内の異常所見の有無が確認され、患者の苦痛の原因を改善する対症療法として下剤の投与をすることが多くなっています。

 

健常人のように老廃物が短時間で体内を通過すれば、人体に必須の栄養素や無臭のガスになるのですが、老廃物が体内に長時間滞留すると、老廃物が悪玉菌で腐敗し、牛乳が腐敗菌で腐るのと同様に毒物と悪臭(オナラ)を生み出します。毒物は腸管壁から吸収されて血流に入り、身体の隅々まで送られてしまいます。